店主紹介
大学卒業後、フランス料理の世界に入り、日本橋、霞ヶ関、銀座の3件の店で修行中、平成元年の父の他界をきっかけにお米の世界に入りました。
料理人の感覚から食材としてのお米の勉強を始め、産地に足を運ぶようになり、様々な人との出会いからお米の面白さ、難しさを感じることができました。他の食材では当たり前のことが、お米の世界では疑問に思うことも多く、驚きがたくさんありました。更には精米技術や目利き、炊飯にこだわるようになり、現在に至ります。
お米の世界に
のめりこむまで
父の他界をきっかけに家に戻り廃業や借金の手続きを3年かけて行い、父親への感情で他界前に始めた米屋だけ残してしまいました。平成5年の大凶作の中、やる気も業界知識もない米屋で四苦八苦するしかありませんでした。この頃は大凶作が落ち着いたら米屋をやめて料理の世界に戻ろうとまだ思っていました。しかし、ある人の言葉で一念発起、お米とじっくり向き合っていくうちに、同じ産地同じ品種で味が違うことを不思議に思ったり、同じ米でも精米の仕方で味が違うことに首を傾げたりするようになりました。そして未だ自由に生産者から米を購入できない時期から産地に足を運び色々学ばせて頂きました。
それからお米の奥深さにのめりこんでいったのです。
飲食店に合うお米探し
美味しいお米を納品できるようになってきたと思った頃、頭を悩ませたのが同じお米なのに納品先から真逆のクレームが来ること。あるお客様には「ぱさぱさになる」と言われ、また別のお客様からは「柔らかい」と言われる。それから飲食店で炊飯の仕方を見せていただき、保管から浸漬の仕方・厨房環境・残りのご飯の使い方まで様々に体験させて頂きました。そうしていくうちに、同じジャンルでも炊飯方法が変わればそのお店にはまったく合わない品種であったり改善方法が見えてきました。
おむすび結庵の開店
自身が料理店を持ちたかった事、そしてどんなに薀蓄や知識ばかり持っていても現場では通用しない。料理は人が作るものだから!だから自身で米屋であることを隠してどん詰まりの裏通りで平成15年3月に「おむすび結庵」を江東区佐賀に開店しました。(現在低温倉庫)平成22年3月には東京駅構内サウスコート・エキュートにおむすび結庵東京駅店を出店しました(H30.東京駅退店)。結庵でも、どのお米をどう精米しどう炊けば美味しいのか、どうすると人はミスをするのか!試行錯誤しました。通算すると東京駅では羽釜で4万釜以上炊いたことになります。それらの様々な経験がお得意様の役に立てればと思います。
もう一箸食べてもらえるお米を
「もう一箸食べたい!」そう思ってもらえるお米をお届けすることで、専業農家が経済的にも成り立ち、若手の農業従事者も増えてほしい。各家庭が満足して納得できるお米をお届けすることで、当店も多くの頑張る農家からお米を契約することができます。
大切にしていること・・・
- 鳴かず飛ばずで売れなかった時期を忘れない事。
- どんなに品質に対して生産者と喧嘩しても当店の為に育ててくれる生産者いて当店が成り立っている事。
- 飲食店ではお客様、ご家庭では家族が、自身が良いと思って購入したお米が美味しくないと言われたら辛い事。
- どんなに有名なお店でも無名なお店でも沢山使うお店でも当店のスタンスを変えない事。
- お米に関することが面倒だからこれでいいやと思ったら米屋を引退する事。
安心に
つなげるために
ほとんどのお米に関する資格を取得していますが、資格が大切なのではなく、その後もどれだけ勉強・努力しているかだと思います。まして炊飯は理論だけ知っていて経験の少ないと一歩間違えると真逆の炊き上がりになります。今、たくさんのお米屋さんがそれぞれの個性を生かして頑張っています。ご自身やお店に相性の良い購入先を選ぶことが大切だと思っています。
取得資格・取り組み
- 平成11年8月
- 「米・食味鑑定士」取得
- 平成14年3月
- 「全国米穀協会おこめアドバイザー」取得
- 平成15年3月
- 「3ツ星お米マイスター」取得
- 平成16年1月
- 「食生活アドバイザー」取得
- 平成16年10月
-
「5ツ星お米マイスター」取得
- 平成17年5月
- 優良米穀小売店全国コンクール
農林水産大臣賞を受賞
- 平成17年7月
- 「雑穀エキスパート」取得
- 平成20年3月
- 「ごはんソムリエ」取得
- 平成22年3月
- 東京駅構内サウスコート・エキュートにおむすび結庵東京駅店を出店
- 平成30年3月
- 東京駅店経営方針の違いから契約更新せず退店
- 令和元年11月
-
精米工場・精米施設HACCP取得
- 令和5年5月
-
「5ツ星お米マイスターProf.」取得
お米屋さんのコンクール
お米屋さんのコンクールとも言われるのが、優良米穀小売店全国コンクールです。第16回において、農林水産大臣賞を受賞いたしました。第16回では、一次審査「書類、写真、資料との印刷物」、二次審査「現地審査、面接」、最終審理委員会によって決定されます。お米屋としての経営理念、実績、商品、店づくり、顧客満足やご飯などの啓蒙活動など、店そのものが評価対象です。お米のプロとして、巧の精米技術と炊飯ノウハウを提供できる一流の米屋をこれからも目指していきます。
HACCP認証精米所
日本の食品の安全性の更なる向上を図ることを目的に原則すべての食品事業者に対してHACCP(ハサップ) が義務化され、当店も令和元年11月にHACCPの適合確認事業者の精米所として認定されました。
ユネスコ文化遺産登録時の冊子に掲載されました
「和食」がユネスコ文化遺産登録時、海外向けに発行された冊子に当店のことが掲載されました。