米職人ふなくぼの
こだわり
美味しいご飯は、米品質(生産者)・精米と保管(米屋)・炊飯(料理人・ご家庭)の3つがマッチしてこそ食べる方にとっての美味しいご飯となると考えています。
それが、料理人から仕方なく素人米屋となり積み上げてきた30年以上の1つの答えです。
生産者への
こだわり
生産者と作り上げるとは、
どういうことか
端的にいえば口出しをすることです!土・水・稲のこと、肥料のこと、そして乾燥の方法について口を出し、収穫後のお米の味と劣化を検証し、生産者にフィードバックしています。この繰り返しをしても土づくから結果が出るのに最低3年かかります。その繰り返しを永遠として行くためには自身も栽培の勉強をしなくてはなりません。昔は「だったらお前が作れ!・・・」と言われたことさえあります。栽培環境は全ての生産者で異なり人間関係も数年でできるものではありません。信頼を作るという事は天候被害で品質が落ちた場合でも買い上げないと良い時だけ当店がもらうなんて無理な事です。だからお互い真剣に付き合いが出来ると考えています。当店に出荷することを誇りに思われる米屋である事を大切にしています。
どの品種を作付けするか
農薬制限からどんな肥料を使い土質や環境、そしてどんなご飯が求められているかを話し合って品種を作付けしてもらっています。そして、時代の変化や気候の変化に対応するために、「新品種のテスト栽培」にも取り組んでいます。今美味しいものが、来年も美味しいとは限りません。気候によっても変わりますし、時代の変化で好みも変わります。いつでも美味しいお米をお届けするために、一緒に未来を見据えて取り組んでいます。
どの田んぼで取れたお米か
生産者の田んぼの状況も把握する為に時には新たな産地には年に4~5回通う事も有ります。まぐれで天候に恵まれ美味しくなる年もあるからです。万が一品質の悪いお米であった場合、どの田んぼで収穫されたのかをチェックし品質向上につなげなくては行きません。そうでなければ、米の袋には何処から仕入れても生産者名は記載されているので、〇〇さんの米とうたう事は簡単ですがそれでは意味はありません。その為新規の生産者から本格的取引をするのに3年かけます。天候に恵まれなくてもその地域で1・2番の米を栽培できる熱意と技術を支える事も私の役目だと思っています。その為に毎年産地視察の時は3,000㎞以上走って産地視察をしています。
精米技術と
玄米保管への
こだわり
当店では温度湿度管理された低温倉庫で玄米を保管しています。そして、お米の甘み・旨み・食感を左右する精米は料理人の包丁と同じと考えており、米質や作柄・季節に合わせて精米状態を調整しています。通常の白米の他に、厳選された良質米の旨みと胚芽をやや残した「匠搗精米」も当店こだわりの精米法です。
「匠搗」精米は当店の商標登録です。類似品にご注意下さい。
同じお米でも白米は全て同じではありません
同じ魚でも肉でも包丁の入れ目一つ、切れ味一つで味が変わるように同じ白米でも精米の技術により炊飯の炊き上がりも食感も変わります。お米の保管だけではなく、精米所の温度湿度から精米機の切れ味・その年の米質・精米時の米温度そして炊飯条件との相性。これらを加味して精米する事が当店流です。
精米と同時に大切なのが選別です。お米は精米ラインで長い距離移動するほど痛みます。しかし無農薬でも虫食いはダメ、異物混入はもっての外というのが現在です。ドライブ中に田んぼに投げられたゴミも小石も玄米の中には入ってきてしまうことがあります。それだけではなく離農する農家が増え荒れた田んぼに害虫が住み着き温暖化で増殖して農薬を最低限で栽培している農家の田んぼに食べに来ます。これらや天候により被害を受けたお米を排除しお米を傷めずに仕上げる為に、当店の規模ではあり得ない高性能な設備を更にカスタマイズした精米所を活かし、温度湿度管理をしてお米を仕上げています。
鮮度保持袋でお届けします
当店ではカーボン・イオン・パック「鮮度保持の袋」にお米を入れてお届け致します。(1kgは除く)米びつは必要有りません。そのまま鮮度保持袋の口を縛って保管して下さい。更に良い保存方法等も説明書をお付けしております。この袋のご使用後は、水洗いし野菜や、果物の鮮度保持にご使用になれます。
当店が伝えたい
炊飯への
こだわり
炊飯は日本独自の調理技術
お米は生でかじって良し悪しが分ればもっとお米選びが楽しくなる??? 生でかじって美味しい食品なら調理して不味くなったら自分の責任だと思えるのですがお米をかじって質を見られる方は少ないと思います。
ご飯は約60%が水で必ず加熱「煮る炊く焼く蒸す」でご飯になります。洗米・吸水・炊飯・盛り付けによりご飯の味が大きく左右されるのはご存じの通りです。私は仕事柄、何十年も玄米を見て嗅いでかじってきましたが、それだけでは炊飯特性の一部しか分かりません。元々料理人であった事もあり炊飯を極める為、人の歩かない裏路地におむすび店を出店しその後東京駅構内に8年出店し現在も清澄白河でおむすび店を営んでいます。東京駅に出店している時は350日厨房で炊飯調理していました。それはあくまで米屋も炊飯もプロで在りたいからであり、決して簡単にひと手間抜いて炊飯することが悪い事ではありません。
その為、ライフスタイルやお店に合った炊飯をすることが大切だと思います。
多種の炊飯釜での炊飯経験や炊飯器の開発に参加したり、飲食店さんの現場で炊飯をしてきた経験や敗からご飯は簡単に炊けるけど美味しく毎日同じに炊くことが難しい事は身にしみて分かります。
だから、炊飯は面白いとも言えます。
プロの飲食店の炊飯
「拘って手間をかけられる形態のお店」「忙しくて狭くて手間を掛けられないお店」でもご飯の味をグレードアップしたい・・・高いお米を使えば美味しくなるというものでもありません。
程度はあれど何かを改善し何の手間も掛けずに美味しくすることは出来ないと思います。
改良材や添加物を使用すれば一部は改善すると思いますが、本当のご飯の味ではありません。
お店のお客様にとって美味しいご飯に炊き上げる為のお手伝いもお得意様への当店の仕事と考えております。
食材の旬に合わせてお米も変える?
特に東京は専門店文化の街です。お金を頂くためにはそれだけお客様の支持がなければ生き残れない。
例えばお鮨やさんでも脂がのった魚やあっさりとした魚、硬さや食感も違うネタを同じシャリと合わせる。
「炊飯方法で季節や日々の条件で調整する」「季節で精米を変える米を変える」「誰が炊いても一定の質に上げたい」「炊飯機械導入で人手を減らしたいが旨く炊けない・・・」
目指すところが変われば、米も炊飯の仕方も変わります。
自身の炊飯経験や多くの飲食店さんの炊飯に関わって来たからお手伝いできる事もお断りする事も有ります。
一般消費者の方の炊飯
ご飯はお米と水そして熱を加えるだけというシンプルな食材ですが、美味しく炊くとなると難しいのですが、お金を頂くわけではありませんので少量を炊くにはポイントを押さえて炊けば大丈夫です。
直火で拘って炊きたい方は2・3度の失敗は恐れずになぜ硬くなったのか、なぜオネバが出ないか等を知ってしまえば炊飯が楽しくなります。
チョット家庭用の少量炊飯のページを見て下さい。
食生活の多様化で簡単にほどほどに美味しく食べたい方から、こだわって自分の好みに合ったお米を選びたい方。当店が全ての方に合ったお米をご提供は出来ませんが少しでもご飯の美味しさ、生産者の努力をお伝えできればと思います。
それぞれのライフスタイルで変わる?
ご家庭でも、「ふたり暮らしだから土鍋で炊いている」、「お弁当が多いから、冷めても美味しいお米が良い」、「家族で好みが違っていて、どのお米を選べばいいのか分からない」「農薬が気になる、顔の見えるお米が良い」などなど、要望や悩みは様々です。
当店のお米が全てのお客様にご満足いただけるとは思っておりません。 食に好みがあるようにお店とのマッチングも大切と考えております。