お箸の国の物語

ふなくぼ商店

研ぎの名人

研ぎ方ひとつで味を変える

お米を研ぐ、これは稲の国の日本独特の言葉です。他に、野菜や魚料理においては研ぐとは言いませんよね・・・

昔は研ぐ、今は優しく洗う!

1つは、お米に残っている遊離ヌカを取る為です。お米には、側線と言い縦に溝が入っています、特にそこにヌカやでんぷんの粉が残りやすくヌカが残っていると炊飯した時、香りがきつくなったり、黄ばみが早かったりしてしまいます。2つ目は、米肌を整えておネバの絡みつきをよくしてあげる事です。これは、研がなくてもダメ、研ぎすぎてもダメで丁度良い塩梅は洗米を3~4回繰り返す程度です。

精米の綺麗なお米は「昔のように手の平で強く研ぐ」必要はありません。(但し古いお米・胚芽米や分付き精米などは特に梅雨から夏は濯ぎ回数を多めに・・・)

新米時や、米の脂質の状態が良いものは、保温をせず炊きたてを食べるなら3回程度の洗米の方が、香りが経ちます。

1.現在は3合前後の少量を研ぐ家庭が多い為、それを基準にお話し致します。

多目の水を先にボールに張り、量ったお米をサット入れかき混ぜスグにザルに流す(特に1回目は手早く)又、先に水を張り水を流しながらボールの中でお米を泳がせるように優しく洗いそれを2~3度繰り返します。

当店では穴の小さい(米の頭が刺さらない)パンチングザルをボールの中に入れたまま、タップの水の中で泳がせるように洗い、ザルを持ち上げて水を切っているうちにボールの水を捨てて新しい水を溜める。

4回目は1回目同様、たっぷりの水の中でサッと泳がせて水を切ります。

この時は、金ザルを使ったり、強く研ぐとお米が割れて炊き上がりが、ポロポロになっちゃうよ・・「網にお米が ササり 割れてしまいます。」ザルをボールの中で使う場合は、細かい目のザルか小さなパンチ穴のザルを重ねて、たっぷりの水の中で洗ってください。

2.水が透明になるまで繰り返す必要はありません。研げば研ぐほどお米から流れ出します。

強く研いだり研ぎ過ぎると、米の肌が荒れた部分からでんぷんや、アミノ酸、たんぱく質が流れ出て吸水中や炊飯時にさらにそれらが流れ出て味と食感を悪くしてしまいます。

3.ザル上げ、水きりは5分程度で・・・米が乾かない内に浸漬

ザルのまま放置される料理人さんも居ますが、放置するとお米に亀裂が入り炊飯した時、割れて食感が悪くなってしまいます。昔は精米も綺麗に仕上がらず又、保管も悪かったためお米が硬く乾いているものも多かったのでワザと亀裂を入れて熱の伝わりを良くしました。

4.内釜に計量した水を入れ、冷たい水でジックリ浸漬して下さい。

精米から日にちが経ってしまった!ジャー保存や夏のお弁当の時などは「旨味は減りますが、1~2度多めに洗米をしてあげる。逆に炊きたてで食べ、お米の旨味や香りを味わいたい時は1~2回濯ぎを少なくする。

こんな工夫で一味変わります。


此処まで来たら、もう名人・・・

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